周産期ワクチン(百日咳・RSウイルス)
当院では妊婦さんを対象に、
百日咳ワクチン(Tdapワクチン、DPTワクチン)-任意自費接種
RSウイルスワクチン(アブリスボ)-定期接種
を接種しております。
百日咳ワクチン接種の意義
乳児(特に生後6ヶ月未満)が百日咳にかかると重症化し、致死的となります。(2025年には、日本国内で基礎疾患のない乳児が百日咳で亡くなられました。)
諸外国では以前より、エビデンスをもとに、百日咳ワクチンであるTdapを周産期に接種することが推奨されてきました。
これは
- 母親が感染し、赤ちゃんに感染してしまうことを予防する(コクーニングcocooning)
- 妊娠中に胎盤を介して、抗体を赤ちゃんに移行させ、赤ちゃんそのものに免疫を持たせる
の二つの意味合いがあります。
当院では、免疫移行を考え、特に28-32週での接種を推奨していますが、24-36週であれば、接種をお受けしております。
また、厚生労働省の感染経路の調査を参照にすると、父親や祖父母など育児に携わる方全般が接種対象となりえます。
(以下資料の同胞は、兄弟を指しますが、先に出生している兄弟たちは4種混合ワクチンや5種混合ワクチンを接種済みであれば、百日咳への免疫を原則保持しています。定期接種の助成が受けれなくなりますが、免疫が落ちるとされている5-6歳や11-13歳でDPTワクチンを接種するという選択肢もあります。小児科学会HP参照)
百日咳ワクチンの種類
日本で接種できる百日咳のワクチンは主に2種類あります。
小児用に開発されたDPTワクチン(トリビック)と海外製の成人用のTdapワクチン(boostrix)です。
どちらのワクチンにも、ジフテリアDiphtheria、百日咳Pertussis、破傷風Tetanusが含まれ、DPTはこれらの頭文字をとっており、3種混合ワクチンと呼ばれることもあります。
当院ではどちらのワクチンも取り扱っており、いずれも任意の自費接種となります。
DPTワクチン(トリビック)
*現在、DPTワクチンの出荷制限により、不定期に入荷する状況です。DPTワクチン接種を確約はできない状況ですので、T-dap接種を前提に来院いただき、在庫を受付窓口で確認いただき、在庫していれば、接種をさせていただいております。
- トリビックは国産ワクチンで、もともと小児用に開発されましたが、2018年以降は適応が拡大され、成人にも接種が可能となっています。
- 2023年には産婦人科診療ガイドライン-産科編(日本産婦人科学会)でも、妊婦に対しての有益性投与の記載がされるようになり、現在のように百日咳が流行する時期では接種を積極的に考えてよいと思います。
- ただし、もともと小児用に開発されたこのワクチンは、成人に対しては、ジフテリアトキソイドの成分量が多く、接種部位の腫れ(接種者の約7-8割)や発熱などの副反応は多いことで知られています。
- 当院では、妊娠24-36週(特に28-32週)を接種目安として、推奨しています。
- 価格は5,900円(税抜)です。
Tdapワクチン(boostrix)
- boostrixはGSK グラクソ・スミスクライン(英国)による成人用の3種混合ワクチンです。当院で使用しているのはベルギーで製造されたものです。
- ジフテリアトキソイドが減量され、製品化されており、トリビックよりも腫れにくくなっています。
- 世界的に妊婦さんへ接種した際のエビデンスもトリビックよりも多くあります。
- 諸外国のガイドラインでは、27-36週で接種が推奨されています。当院では、特に28-32週を推奨しています。
- ただし、日本では薬事承認がされていないため、並行輸入して、当院では接種しております。
- 世界で広く使用され、当院での接種でも大きな副反応は発生していない状況ですが、万が一ワクチンによると考えられる副反応や後遺症の際に、国が用意しているワクチン副反応救済制度を使用できない可能性が高いです。代わりに輸入業者によるワクチン副作用救済制度をご案内しております。
- 価格は11,900円(税抜)です。
価格
成人の百日咳のワクチン(3種混合ワクチン)は任意の自費診療になります。
- 診察・手技料 平日3200円、土曜4800円(税抜)
- DPTワクチン(トリビック) 5,900円(税抜)
- Tdapワクチン(boostrix)11,900円(税抜)
まとめ
どちらのワクチンでも、百日咳の抗体価上昇が見込まれ、生まれてくる赤ちゃんを百日咳から守るという本来の目的は達成できます。
それぞれのワクチンにメリット・デメリットがありますが、
- 世界的なエビデンスと実際の副反応の少なさを優先するのであれば、Tdap(boostrix)
- 価格の安さと国内承認の有無を優先するのであれば、DPT(トリビック)
を選択することになるかと思います。
RSワクチンの接種について
当院ではRSワクチンのアブリスボも在庫しております。
定期接種も合わせて当院でご希望の方は、接種可能となります。
DPTやTdapとの接種間隔ですが、1-4週など空けることも可能ですし、同時接種も可能です。
アブリスボのみ接種希望の方も、ご予約可能です。
ご相談・ご予約
ご予約は予約サイト>大人のワクチンよりお取りください。
*現在、DPTワクチンの出荷制限により、不定期に入荷する状況です。DPTワクチン接種を確約はできない状況ですので、T-dap接種を前提に来院いただき、在庫を受付窓口で確認いただき、在庫していれば、接種をさせていただいております。
T-dapワクチン希望の方は在庫確認は不要です。
妊婦さんは、来院も大変だと思いますし、まずご相談をという方もいらっしゃるかと思います。
オンラインでの相談も可能です。ご希望の方は、クリニックにお電話いただければ幸いです。
